ケツイや怒首領蜂大往生などの基板の充電池について
怒首領蜂大往生・怒首領蜂大往生ブラックレーベル・ケツイ・エスプガルーダには充電池が載っています。
これが液漏れを起こしやすいようで、電解液が基板のパターンやスルーホール(基板の表裏や内層をつなぐための穴)などに長期間接触したままになっていると、腐食を起こしてパターンが切れたり、スルーホールが切れてしまったりします。
そうすると画面が化けたり、起動しなくなってしまいます。友人の怒首領蜂大往生がこれで画面が化け化けになってしまいました。
そうならないためにも定期的に確認を行った方が良いかもしれません。
また、怒首領蜂大往生ブラックレーベルは充電池が切れると起動しなくなってしまう、と聞いています。定期的に通電を行って充電をしてあげてください。
ケツイや怒首領蜂大往生などの基板に載っている充電池が電源を供給しているICをチェックしたのでメモとして記録。
部品番号 | 部品名 | メモ | データシート |
---|---|---|---|
U13,U24 | 74HC132 | シュミットトリガ入力NAND*4 | http://documentation.renesas.com/jpn/products/logic/rjj03d0422_hd74hc132.pdf |
U22,U23,U26,U27 | W24258S-55LL | 32k*8 SRAM | http://www.datasheetarchive.com/pdf-datasheets/Datasheets-pdf-9/80634.pdf |
U28 | V3021 | RTC | http://www.emmicroelectronic.com/Products.asp?IdProduct=71 |
X1 | 32K768Hz | RTC用の32.768kHz水晶 |
充電池はVARTA製3.6V 70mAhのNi-MH(ニッケル水素電池)が使われています。
型番は3/V80Hでモノとしてはこれ。ググると1000円ぐらいで売られている模様。
充電池が切れると死ぬ基板(怒首領蜂大往生ブラックレーベル)はSRAMの内容が消えてしまうと起動しなくなるのかもしれません。
しれません、と書いているのは予想だから。
ケツイ基板についていた充電池を確認したところ、若干液漏れしていたため取り外してしまいました。
ケツイ基板の場合は充電池が無いと電源投入後の最初のデモプレイに入るときに左上にCPUのレジスタか何かを表示して止まってしまいます。
これはデモプレイになる前にクレジットを入れて、一度遊ぶとそれ以降止まることは無くなります。
ロケで使う場合は注意が必要かもしれません。
充電池は何日保つかの試算(09/02/24に追記)
充電池が満充電のときにどのくらいの時間保つかを計算してみたので記載。
結論を先に書くと、2ヶ月か1ヶ月に一度ぐらい数時間通電してあげれば電池は保つと思われます。
以下は基板を見て計算した結果ですので、正しくない可能性が高いです。あくまで試算です。
また、ケツイ基板を見ています。怒首領蜂大往生ブラックレーベルとは違う可能性があります。
各部品の消費電流をデータシートより求めると
部品名 | 消費電流 |
---|---|
74HC132 | 1uA |
32k*8 SRAM | 5uA |
RTC | 1.8uA(3Vの時) |
とデータシートに記載してあったのでこの値を使用。すべて25℃のときのMAX値。RTCは水晶が接続されて動いているのでもう少し多いような気もしますが…。
まず、満充電からどのくらいで空っぽになってしまうかは、充電池の70mAhは70mAを取り出し続けると1時間で空になってしまうということなので、これを総消費電流で割れば良いので
(70e-3/(1e-6*2+5e-6*4+1.8e-6))/24.0=122.55
で122日保つらしい。
…本当だろうか…こんなに保つんだろうか…。半分の60日ぐらいは大丈夫だと思った方が良いかも?
次に充電に掛かる時間を計算すると、充電のための回路は以下のようになっているようです。
D1,D2の順方向電圧がデータシートでは0.55V(テスターでの実測値は0.2Vぐらい)で、充電時は470Ωの抵抗を介して70mAhを充電するので
70e-3/((5.0-0.55)/470)=7.4
7.4時間で充電出来る模様。これはそれっぽい。
というわけで、電池が切れると壊れてしまう怒首領蜂大往生ブラックレーベルの場合、2ヶ月か1ヶ月に一度ぐらい数時間通電してあげれば電池は保つと思われます。