USB Type-C の電源評価に使っている物に関するメモ

概要

 USB Type-C を使った電源を作ろうとしていて、その評価を行うために使っている物が若干癖がある物が多いため、使ってみて忘れないためにもメモをしておいた方が良いことを書いておきます。

使っている物

 以下の物を購入して使っています。

 こちらですが、思ったように動かないことがあるのでちょっと気をつけて使わないといけないかもしれません。

 電源としては以下のアダプタを使用しています。

 ACアダプタからの出力を CT-3 に繋ぐケーブルは以下の3本のいずれかを使用しています。

ケーブル概要 URL e-Marker 情報 USB CABLE CHECKER 2 で表示される抵抗値
ダイソーで買った e-Marker 内蔵の 100W 対応ケーブル 充電・転送ケーブル(USB POWER DELIVERY、100W対応、Type―C) - 100均 通販 ダイソーネットストア【公式】 20V@5A USB2.0 ~2m 199mΩ
Anker 317 Charger に付属していたケーブル NA 20V@5A USB3.2Gen2 ~1m 165mΩ
twitter で見かけて買った Dell のモニターに付属していた 1m の Thunberbolt4 ケーブル NA 50V@5A USB4.0Gen3 EPR ~1m+ 144mΩ

 USB CABLE CHECKER 2 で表示される抵抗値は接触具合および個体差があると思われるため参考値です。
 また、Anker 317 Charger に付属していたケーブルは e-Marker を読み出すと USB3.2Gen2 となっていますが、USB CABLE CHECKER 2 の表示を見る限り USB 2.0 の接続しかされていないと思われます。さらにケーブル長も ~1m になっていますが、商品説明ページには 1.5m ケーブル付属と記載されていて、ちょっとこれも気になっています。

CT3+電子負荷(SM-LD-00) について

 使う上で気になった点を書いておきます。

USB Type-C ケーブルの e-Marker を読み出すとき

 本体にある USB Mini-B から電源を供給して、e-Marker を読み出せる状態にしてから USB Type-C の In 側にケーブルを挿すと e-Marker を読めます。電源が供給されていないと読めません。

SM-LD-00 を使う場合

 こちらも同じように本体にある USB Mini-B から電源を供給出来る状態にしないと SM-LD-00 を制御することが出来ません。
 本体で SM-LD-00 の on/off を行う事が出来ますが、発熱などあるため本体を操作して直接制御するのではなく、USB 経由で PC のソフトを使って制御を行った方が良いかと思われます。
 が、SM-LD-00 の制御ですが、on は大体問題無く出来るのですが、off に出来ない事が良くあります。この場合はどうしようもないので USB Type-C のケーブルを抜いています。

  • on, off を行ってすぐに on を行うと駄目になることがあるような?
  • 電流値を大きくした状態で on をある程度の時間長くすると off 出来なくなるような?

 lua script での制御ではどうなのかなどは現在試しているところです。

電圧降下について

 試作品として USB Type-C から 20V/5A を出力するように設定し、+5V, +12V, -5V を出力するような基板を試作しているのですが、入力電圧として使っている 20V/5A の電圧降下が結構大きくてちょっと気になっていました。
 SM-LD-00 を使ってみたところ、やはり同じように引き出す電流によって電圧降下が結構大きいです。
 ACアダプタとして Anker 317 Charger を使用して、上記した3本のケーブルを使って、SM-LD-00 で 20V/5A の設定にして負荷を on にし、測定電流値が約5Aになってから1秒間(1000点)の平均値を求めてみると

ケーブル 電圧
ダイソーケーブル 18.706V
Anker 317 Charger 付属ケーブル 18.866V
Dell モニター付属のケーブル 18.978V

となりました。USB CABLE CHECKER 2 で測定した抵抗値が低いと電圧降下も低くなっていて差分としては 300mV 程度になります。
 ただし、Anker 317 Charger の 20V@5A は無負荷状態で 19.504V ぐらいしか出ていません。
 上記条件で V = I/R でそれぞれを計算すると

ケーブル 計算
ダイソーケーブル (19.504-18.706)/5.0=159mΩ
Anker 317 Charger 付属ケーブル (19.504-18.866)/5.0=128mΩ
Dell モニター付属のケーブル (19.504-18.978)/5.0=105mΩ

となって、ケーブルによる電圧降下は確かにそんなものなのかなぁ、という値になっています。

 Anker 317 Charger の 20V 出力が若干低い気がしたため、Targus の方で測定を行ってみると、無負荷時の電圧が 19.980Vで、Dell モニター付属のケーブルを使って 20V@5A を流すと 19.310V でした。
 Targus の方で計算すると (19.980-19.310)/5.0=134mΩ となります。若干大きめに見えてしまうのは電圧がちょっと高いからかなーと思っています。

 という風に、使用する AC アダプターやケーブルで電圧が結構上下していて、電圧・電流高めだけど Sense 線を使ったりとかもしていないしこんなものなのかなーとなっています。